切削条件計算ツール
切削速度と送りから、機械に入れる回転数と送り速度を出します。 逆に、回転数から切削速度を確かめることもできます。
切削速度 150 m/min / 加工径 φ50
| 送り速度 F | 191 mm/min |
| 1回転あたり送り f | 0.2 mm/rev |
計算式
回転数 N(min⁻¹) = 1000 × Vc ÷ (π × D) 切削速度 Vc(m/min) = π × D × N ÷ 1000 送り速度 F(mm/min) 旋盤 = f × N (f は 1回転あたり送り mm/rev) フライス = fz × z × N (fz は 1刃あたり送り、z は刃数)
Vc は m/min、D は mm です。 単位が違うので 1000 の換算が入ります。ここが最も間違えやすいところです。
入力項目の説明
| 項目 | 何を入れるか |
|---|---|
| 加工径 D(旋盤) | 削っている位置の直径。工具の径ではありません |
| 工具径 D(フライス) | エンドミルや正面フライスの刃の直径 |
| 刃数 z | 工具の刃の枚数。送り速度に直接効きます |
| 切削速度 Vc | 工具メーカーのカタログにある推奨値。材質と工具で決まります |
| 回転数 N | 機械に入れる主軸の回転数。ここに入れると Vc を逆算します |
| 送り f / fz | 旋盤は1回転あたり、フライスは1刃あたり |
| 送り速度 F | プログラムの F。ここに入れると f / fz を逆算します |
関連するツール
| ツール | つながり |
|---|---|
| 製造コスト計算 | 工程ごとの1個あたり原価。加工時間・機械チャージ・工具費から出します |
| 機械チャージ計算 | 加工時間に掛ける、機械の時間単価 |
| 材料重量計算 | 丸棒・板材の重量と材料費。金属18種の比重表つき |
| テーパー計算 | 円錐台の寸法。標準テーパーの早見表つき |
使うときの注意
カタログ値は、そのまま使える条件で出ているとは限らない
工具メーカーの推奨条件は、剛性・クランプ・クーラントが整った状態での値です。 現場の条件はそこから外れることが多く、そのまま入れると工具が持ちません。
カタログ値を起点に、次の条件で調整することになります。
| 条件 | 起きること | 調整の向き |
|---|---|---|
| 工具の突き出しが長い | ビビり、たわみ | 切削速度と送りを下げる |
| クーラントが刃先に届いていない | 熱、溶着、寿命の低下 | 切削速度を下げる |
| ワークのクランプが弱い・薄物 | ビビり、変形 | 切込みと送りを下げる |
| チャッキングの突き出しが長い(旋盤) | たわみ、テーパーになる | 切込みを下げる。芯押しで支える |
| 断続切削(溝や穴のある面) | チッピング | 切削速度を下げる。靭性の高い材種へ |
| 荒か仕上げか | — | 荒は切込み優先、仕上げは送りと面粗さ優先 |
下げる方向にしか調整しないわけではありません。 剛性が高く、クーラントが効いていて、突き出しが短ければ、カタログ値より上げられることもあります。 自社の実績値が一番確かです。
切削速度は、同じ材質でも一桁変わる
切削速度は材質だけでは決まりません。 工具の材種で大きく変わります。同じ S45C でも、コーテッド超硬なら 200 m/min 前後、ハイスなら 30 m/min 前後です。 使う工具のカタログ値を起点にしてください。
径が変わる旋削は、平均の径で見る
外径を何パスも取ると、1パスごとに加工径が小さくなります。 周速一定(G96)なら回転数はその都度上がり、定回転(G97)なら切削速度が落ちます。
このツールは入力した1つの径で計算します。 取り代が大きいときは、素材径と仕上がり径の中間を入れると実態に近くなります。 φ60 から φ40 まで削るなら φ50 です。
送り速度の上限は機械側にもある
計算上の F が出ても、機械の送り軸の能力を超えることはできません。 特に小径工具を高回転で回すときに起きます。 φ3 のエンドミルを 15,000 min⁻¹ で回すと F は数千 mm/min になります。
※ 切削条件は工具・材質・機械・クーラント条件で変わります。 実際の加工にあたっては、工具メーカーの推奨条件と自社の実績値をご確認ください。